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2011年6月22日水曜日

○ンタマ その3: 極北クレイマー

さすがにこれはメーカーに教えてあげないといけません。同時に、日本で回収情報などがあったかもしれないのを見落としている可能性を確認しないといけません。

私の知る限り、通常使用で体内に異物が残る医療器具は、問題があります。
クリニックに電話すると、メーカー担当者から連絡が行きますよ、という話になりました。

最初に断っておきますが、文句をつけたいのではないんです。
医療器具にしろ原発にしろ、ちょっとした不具合を放置すれば、関わる全ての人が不幸になるからです。その生産ロットの調査と、表ざたにしなくていいから、メーカーのHPをよく探すと分かるような注意勧告を出してくれるだけでいいんです。
私の行動は善意から出ているのです。

・・・しかし、この手の善意は、それを示した人のぐったりで終わるのが世の常です。

クレーマー担当お客様窓口によれば「このコンタクトは薄手で装着感が良い半面、使い方によると(良くない、とか悪い、という言葉を選ばないのはさすがです)損傷する」ことを丁寧に説明してくださいました。

すでに一度医者に助けてもらうような事例に遭遇し、その経験を生かし医師・科学者(今研究者なわけだし)の目で使用前・使用後に観察し、万全の注意を払って使用しても、メーカーによればド素人になってしまうわけです。そりゃそうですね。

話の流れで、思わず「私が医師だとして、交通事故でも熱傷でも、救急患者の管理するとしましょう。使い捨てコンタクトを装着しているなんて普通で、常に眼科専門医が診てくれるわけではありません。麻酔・ICU管理の際に全身の異物・人工物を外す必要がありますが、患者に意識がなければ、それをやるのは看護師や専門外の医師ですよ。でも、御社のレンズが脆弱なのをしらなければ、断片を残しちゃうかもしれないですよね。私はそういう目で見ていたから、今回の損傷もみつけられて、(地方を旅行中で医者にかかれず)二日後に至るまで注意して観察し、多少の結膜損傷ぐらいで見つけて除去できたんです。べつにクレームをつけたいとかじゃなくてですよ??ある製品でそういうことが起こる可能性をしらなきゃいけない人もいるんですよ?」とか口走ってしまいました。こんなにまとまった文章ではないでしょうけど。

淡々とですが、研修医を怒鳴るだけで数日間胃痛になる人間としてはよくやった方だと思います。

あっさり、「このレンズでの異常は報告されていません。そういう健康被害のような報告は、ちゃんと”眼科医”によってなされますが」
とあしらわれてしまいました。

うーん。

性犯罪被害の報告がないから、存在しないみたいな理屈に聞こえましたが、がまんします。だって担当者にしてみればそう答えるしかないでしょう。

担当者の言動に間違いはありませんし、立場も理解できます。そのロット(複数ですが)の調査をするとも言ってくれましたし。

手元に残った半年分のレンズをどうするかなんて、このブランドを使い続ける恐怖に比べればどうでもいいことです。ただの善意の情報提供だったはずなのに、疲れきってしまいました。「あー、俺ってクリニックでもメーカーでもクレーマー扱いか」と。

ともあれ、学ぶことの多い時間でした。日本に帰って臨床医に戻ったとき、何かの糧になればいいなーと思います。

クレーマーのお話はつまんないしこれでおしまいです。

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