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2011年9月16日金曜日

洗濯室

私もいい歳して学生が住むようなアパートに住んでいますが、よほどいいコンド(マンション)でないと、自分の洗濯機は持てません。そもそも室内に置く場所が想定されていないのです。

どうするかというと、アパートで共用の洗濯室に行って、コインを入れて洗うわけです。うちは運よくドアの脇にある狭い階段を下りてすぐ階下にある(5秒で行ける)ので有利なのですが、週末はよく争奪戦になっています。

ちなみに自宅は、あきっぱなしのアパート共用玄関を入り、1畳ていどの小さな廊下を経て自室のドア、という位置にあります。ですので、廊下や洗濯室は誰でも入れてしまうのですが、距離感的には自宅の一部のような気がします。


冬の話ですが、早朝洗濯室に行ってみると、真っ暗な部屋の隅で白い目だけが光っていました。よくみると、中年のおっさんです。コンクリートに新聞紙を敷いて転がっていました。

驚愕する私に、彼は、「い、いやね、ここのアパートに彼女がいてさうんぬんかんぬん」とスペイン語だか英語だかわかんない言葉でいいわけし始めました。

どうみても風体はダウンタウンの公園にいるような、なんというかホームレスでして、いくぶん治安のいいこの辺にまで来ることは通常ありません。そしてこのアパートは私以外大学生です。彼ですらここに彼女ができるというなら、私ならハーレムを作る自信があります。

20分の洗濯が終わったのでまた降りてみると、もう彼は去っていました。その後、洗濯室で寝てる人を見るようなことはありません。きっと彼の「雨露をしのげる場所リスト」からも外れてしまったのでしょう。

近所にはある教会の本部もあり、「行き倒れになるには最もいい街」と言われています。ダウンタウンには金網で囲まれたシェルター(家のない人が行くと泊まれる施設)が複数あり、それが高級マンションやショッピング施設のすぐ横にあったりして、たまに不思議な光景になっています。

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