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2014年9月27日土曜日

口内炎

どうして外来や講義・講演など、舌を酷使する仕事の前日になると、発症するのか。
手紙をしたためてみた。

里見へ

この手紙をもって僕の医師としての最後の仕事とする。
まず、僕の病態を解明するために、まずは精神科のF君あたりに除外診断をお願いしたい。
以下に、口内炎治療についての愚見を述べる。
口内炎の根治を考える際、第一選択はあくまで外用であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、
発見した時点で粘膜亀裂や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、ビタミン剤や漢方薬を含む全身治療が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの口内炎治療の飛躍は、外用以外の治療法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には口内炎治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、口内炎による犠牲がこの世からなくなることを信じている。

なお、自ら口内炎罹患の第一線にある者が早期対処できず、治療不能の口内炎で斃れることを心より恥じる。

財前


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